【書評】なにげないその一言は『余計な一言』かも!?

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齋藤孝『余計な一言』を読みました。

 

その一言、言わなくてもいいんじゃない?余計じゃない?」をコンセプトに、人間関係を円滑にするための処世術が学べる本です。

 

あるある!自分もそれ言っちゃうことある!

いるいる、そういうこと言う人!

 

と思えるような具体例があげられていて、どんな一言が「余計な一言」となってしまうのか、イメージしやすい構成となっています。

 

①「だって」「でも」「ただ」の言い過ぎに注意 

 

妻「あなたの今日の態度、一体何なの」

夫「だって、あの時は…」

妻「『だって』とか言い訳しないの」

夫「でも、あの時はそうしなけりゃ…」

妻「言い訳は聞きたくないわ」

夫「ただ、あれは…」

p18

 

これは極端な例でしょうけど、夫が「だって」「でも」「ただ」と言うごとに、どんどん言い訳がましくなって、ドツボにはまってます。

 

相手に反論したり弁解したりしたいときに「だって」「でも」「ただ」を言いすぎると、言い訳がましくなってしまうので、要注意ということですね。

 

②二重否定に注意

  

読者A「ベストセラー小説の〇〇って本、読んだ?」

読者B「読んだよ。面白くなくはなかったけど…。長いけど、一気に読めなくもないよ」

 

p43

 

読者B、はっきりしないですね。煮え切らないですね。

 

こんなまどろっこしい話し方をする理由は、自分の意見をハッキリ言うことを恐れているからでしょう。

 

日本人には、あまり白黒をはっきりさせない傾向があります。会話で、相手の反応を見ながら、相手が好印象なら調子を合わせて喜び、印象の悪い人ならその話の流れに合わせていくのです。探りを入れようとしている場合には、このケースのように「二重否定」をつかいがちです。

 

「えーっ、あの本、面白かったじゃない!」とAさんが言えば、「うん、だから面白くなくはないって言ったじゃない。基本的にはよい本だと思うよ」とBさんは返すことができます。

 

p44

 

こういう反応をされると、相手は話しててモヤっとすると思います(笑)。

 

こう歯切れが悪い話し方をされると、「結局何が言いたいんだ、どう思ってるんだ」と、イラっとされたり、

 

もしくは、「この人と話してても、なんかテンション上がらないなあ、あんま楽しくないなあ」と思われてしまうかもしれません。

 

もし、その相手と仲良くなりたいと思ってるとしたら、損です。

 

著者いわく、こういう言い回しを避けるためには、あいまいな言い回しを避けて、具体的な表現に置き換えればよいとのこと。

 

例えば、こういう言い回しにしてはどうかと、提案しています。

 

「あの本は、文章やストーリーも心地よく読めて、結末も劇的なんだけど、あの登場人物を出した意味はよくわからないんだよね」

 

p47

 

たしかにこれなら、良いと思った部分、イマイチだと思った部分が、相手に伝わりやすくなっていますね。

 

③「行けたら行く」

 

「行けたら、行く」という人、いますよねえ。自分も言ってしまうときがあります(笑)。

 

行けるのか行けないのか、ハッキリせんかい!

 

って感じです。

 

で、ギリギリまで待たせたあげく、「ごめんやっぱ行けない」とか、最高の嫌がらせですよ!

 

しかも、「行けたら行く」と言った場合、あとでもう一度、行けるか行けないかを伝える手間が生まれます

 

相手を待たせることになるし、自分もひと手間増えてしまいます。

 

よって、その場でハッキリとイエス・ノーを言ったほうが、お互いのためになります。

 

「行きたいけど仕事が何時に終わるか不明」なら、「遅れるかもしれないけど、いい?」と聞けばいいですし、

 

「用はないけど、行きたくない」のなら、普通にその場で断ればいいのです。

 

④言葉はリピートで軽くなる

 

友人A「いやいやいや、この前は本当にごめんごめんごめん」

友人B「まあいいよ、何か大変だったんでしょ」

友人A「そうそうそうそう」

友人B「それはそうと、代金は返してね」

友人A「うんうんうん、ごめんごめんごめん、すぐすぐすぐ」

 

p145

 

「はい、はい」とか「ごめんごめん」は、僕もよく言います(笑)。

 

著者いわく「言葉はリピートで軽くなる」とのこと。

 

たしかに、「ごめんなさい」でいいはずのところ、「ごめんごめん」と二回繰り返すと、なんだか言葉に重みが無くなりますね。

 

昔の人は、よく子供に「返事は一度でよろしい」と注意しました。

 

「はい」ですむところを「はいはいはい」と繰り返し話すことで、返事に重みが無くなり、話を聞いてないような印象を受けます。

 

実際、「はいはいはい」という返事をしたときは、相手に言われたことが印象に残りにくくなる気がします。

 

昔の人は、それが分かっていたのでしょうね。言葉を軽くしてはいけない、と。

 

著者は、「はい」を何度も繰り返す人、「ごめん」や「すいません」を何度も繰り返す人は、

 

自分自身を守ろうとしている、失敗を深いところではきちんと受け止めようとしていない、早くやりすごそうとしている、という思いが透けて見えます。

 

p147

 

と指摘します。

 

鋭い指摘だと思います。

 

⑤無駄にネガティブ 

 

社員A「よかったじゃない。業績が良くて」

社員B「まあいずれ下がるけどね」

社員A「そんなことないよ。まだまだいけるんじゃない」

社員B「結局、世の中の流れ次第だから…。まあいつのまでもつのか…」

社員A「またあ。なんだか顔色もいいよ」

社員B「いやあ、もう年だし、ダルいし…」

社員A「そんなあ、まだ40歳じゃないの」

社員B「いやあ、結局いつかはジジイになって、死ぬんだから、といつも思ってるよ」

 

p150

 

社員B、めんどくせえ…

 

「そんなことないよ」と言ってほしいのかねぇ? って思います。

 

何でも否定的に見る癖がついてる人なのでしょう。

 

たしかに、結果を出したことをほめられても、調子に乗らないのは、謙虚な人です。

 

しかし、これは謙虚を通り越して、卑屈で、過剰に悲観的なだけです(笑)。

 

卑屈や過剰な悲観は、何も生み出しません。

 

無駄にネガティブなのは、いかがなものかと思います。

 

「余計な一言」に気を付けたい

 

ところで、かくいう僕も「余計な一言」を言ってしまう人間です。

 

本書を読んで、身をつまされる思いがしました。

 

「言わんでいいこと」は言わない、そんな人間になれるよう精進あるのみです。